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クラリネットやりたい??(ツヨデキ1-4)

話は数ヶ月戻り、高校二年の第二学期のはじめ頃、僕は中学入学以来の親友タケシ(仮名)と、やはり吹奏楽部でトランペットをしていた一学年下の後輩二人とでロックバンドを組み、学校の文化祭のロックのステージに参加すべく、まずはその予選のために夏休み前くらいから練習をしていました。音楽のイベントであるため、仕切っていた担当教師は吹奏楽部の顧問先生。しかし、彼は吹奏楽部の部員が文化祭ロックに参加する事をとても嫌がっていて、当時部の幹部でありながら参加していた僕は、随分とネチネチと文句を言われました。



この頃はまだクラリネット吹きよりもロックギタリストになりたいと言う夢の方が大きかったのですが、音楽にずっと触れてきた人間として、自分のギターのテクニックが全然そんなレベルじゃない事もわかっていました。それでも何かをきっかけにうまくなれるかも知れない・・・そんな思いを胸に、ホントに部活でのクラリネットの練習以上にバンドの練習に気持ちを傾けていました。そして、予選当日・・・

皮肉な事に、文化祭当日のステージに上がれるバンドの数は、予選への総エントリー数からわずかマイナス1。たった1バンドだけが落ちる事になっていました。そして・・・我々がそのたった一つの落選バンドとなってしまったのでした。落ち込みました。でも、自分の実力を考えれば納得せざるを得ないなとも思えました。この時にきっぱり、ロックミュージシャンへの道はあきらめました。



その後は何となく目標を失ってしまい、燃え尽き症候群のようになってしまいました。吹奏楽部でも幹部の任を終え、受験に集中するために部を去る同級生も少しずつ出て来たりして、2学期の残りは何となく寂しく空虚なものになってしまいました。この頃学校も結構休みがちになっており、2学期の終わり頃に担任に、あと2〜3日欠席したら職員会議モノだったと脅されてしまいました。各校3団体しか参加できない県のアンサンブルコンテストへの出場を賭けこれまた4団体エントリーで行われた部内選考も、そんな気持ちの中で取り組んでいたせいか、自分たちが唯一の部内落選アンサンブルとなってしまいました。



年が明けて3学期、部の顧問先生がとあるレコードを貸してくださいました。カラヤン指揮ベルリンフィルの、モーツァルトの管楽器のための協奏曲集という何枚組かのアルバムでした。しかし、借りてから1週間は家に置いたままで、全くそのレコードに針を落とそうと言う気になれませんでした。一週間位して先生にもう聴いたのかと問われ、そろそろ聴いて早く返さなきゃと思い、帰宅後に自宅の居間のステレオの、もうあんまり使われなくなっていたレコードプレイヤーにそのレコードを載せ、スイッチを入れてレコードの作り出す音をそれほど期待しないで聴き始めました。



今現在では少しオールドファッションとなった、ゴージャスなサウンドでゆっくり目にアレグロの第1楽章が流れて来ました。約2分間その前奏が続き、その終わりを告げるイ長調の和音が3度鳴り、さあ独奏クラリネットの登場・・・













え???これがクラリネット????













それから30分間、身動き一つせず、スピーカーから流れてくる音に釘付けになっていました。

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