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20年前の冒険と10年前の決断と。

日付がもう変わったので「昨日」であった10月3日月曜日、仕事の合間にふとスマホからアクセスしたフェイスブックで、今年からドイツに留学しているだいぶ若い(笑)お友達の更新されたての投稿を見つけた。日本だと感じる事のないドイツ特有の不自由さを語っているその文章ににウンウンとうなずきながら読んでいたら、不意に今日はドイツは「統一記念日」の祝日だった事を思い出した。という事は翌日の今日は10月4日。あれ、今年って何年だっけ・・・と考えてみたら、僕にとって10月4日が特別になった日からちょうど20年であった。

ここ数年は当日に思い出す事もほとんどなくなっていた、ドイツに初めて渡った日である20年前の今頃、初めて行く国、初めて一人で乗る国際線と言葉の通じない国での飛行機の乗り継ぎ、そもそも外国で生きていけるのか・・・などの色んな不安を胸に、せっせとあれもこれもと深夜まで荷造りをしていた事を思い出す。本当に何も知識がなく、でも調べもせず、持っていきたいものをギュウギュウに詰めたスーツケースの重量は何と38キロに。成田空港のチェックインカウンターで預け荷物の重量制限を初めて知って泣きそうになった事が懐かしい。

その後、数多くの方々にご迷惑をかけ、それ以上に本当にお世話になって、無事ドイツの音大で勉強が出来て、クラリネット吹きになる事が出来た。ドイツ語もある程度不自由なく操れるようになり、ドイツでの生活を楽しんでいた。が、ふと、10年前のやはり「統一記念日」の翌日、その数年前にお世話になっていた台湾人ピアニストが突然「ツヨシ、私、台湾に帰るから!バイバイ!」って風のようにいなくなった時の事を思い出した。そうか、あの時の彼女はこういう気持ちだったんだなと納得し、僕も同じ決断をして帰国を決めた。

季節はFederweisserが終わりそうな頃。その10年前には存在も知らなかった、日本ではなかなかお目にかかれない、白ワインの作りかけの甘く美味しい飲み物とも思いがけずそれでお別れとなった。
federweisser.jpg

以前はもう少しこの10月4日と、帰国した6月3日の事を書いたりもしていたのだが、その思い出もだいぶ風化してきているのかもしれない。でも、最初の大きな節目として、神様がちゃんと思い出させてくださったのかもしれない。それでも、来年の6月3日は忘れちゃってるかもしれない。

まぎれもなく、この20年前、10年前の事があって、今の自分がある。まだだいぶドイツかぶれだけど、第3のビールも味わって飲めるようになった。幸せな事に、クラリネットを仕事に出来ている。そして、だから今仲良くさせてもらったり支えてもらったり応援してもらったりしてる多くの友人同僚先輩後輩知人の皆様に出会えた。やはり、10月4日は大切にしないといけない日だと思った。

何の因果か2016年10月4日は火曜日。成田で仕事の日。空港には行かない(と思う)けど、まだ20代前半だった当時の事を少し思い出してみようかなあ。

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