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後4日 / シューマンの話

昨日は凄い雪でしたね!


...と書きたいところですが、千葉と東京は遠いのか(笑)、雨風は厳しかったものの全く雪に見舞われない1日でした。東京や神奈川のみなさまは大変でしたね。

そして打って変わって今日は快晴なのですが、こうなってくると、今週末のお天気が少し心配されます。僕は超晴れ男で有名ですが、よく考えるとこの時期に演奏会を企画した事は一度もありません。現時点では不穏な天気予報です。晴れ男パワーを今回も発揮出来るでしょうか。

その、ついに今週末に迫った中島五輪江さんとのコンサート、大変ありがたい事に、残席数が間もなく1桁になろうとしております。早い者勝ちですので是非ご予約を!


さて...
コンサートまでにいろんなサイドストーリーを書きたいと思っていたのですが、相変わらずの筆不精につきもう間に合いそうにありませんので、当日のプログラムに残りは書かせていただきます。とりあえず、シューマンまでを!

僕はドイツにいた時間のほとんどをデュッセルドルフ市民として過ごしました。あちらに住んだ事がある日本人にとってのデュッセルドルフは「日本人の憩いの地」的な印象が強いかも知れません。多くの日本人が住み、日本の食べ物や本など、高額ではありますが、大抵の物は手に入れる事が出来ます。

しかしもちろんそれはほんの一面。とても美しくドイツらしい街で、雄大なライン河畔に佇む穏やかなここが大好きでした。この美しい街に40歳のローベルト・シューマンは家族と共に移住してきます。

デュッセルドルフ市の音楽監督として、最初の1年くらいは幸せに過ごしていました。街のシンボルとも言うべきライン川の名を冠した交響曲第3番を作曲したり、最初に作っていた交響曲を第4番として校訂し、現在のデュッセルドルフ交響楽団にあたるオーケストラで初演をしています。

しかし、次第にシューマンの精神の異常が目立つようになってくると、それが音楽家たちとの不和の原因となり、シューマンは更に精神を病んでいってしまう事になります。

そんな折、北ドイツの街ハンブルクから、若く元気な青年がシューマン家を訪ねてきます。それがブラームス。シューマンはこの才能あふれる作曲家でピアニストでもあったブラームスを大変気に入り、しばらくしていなかった評論家としての筆を取って、ドイツの楽壇に彼を大々的に紹介します。シューマンとブラームスの親交はずっと続き、シューマンの死後もブラームスはシューマンの家族とのお付き合いが続いたのは有名な話です。

シューマンの住んでいた家...特に何か記念館のようになっているわけではないのですが、デュッセルドルフの旧市街の外れにあるその一角は、ライン川にも近く、今でも石畳の敷かれた通りに面した、とでも静かで落ち着いています。僕もよくそのあたりを散歩していましたが、シューマンやブラームスはどんな気持ちでこの道を歩いていたのだろうかと思いを馳せておりました。

その、ライン川に近い事が後に仇となります。ついに体を壊してしまったシューマンは床に伏せっていました。突然何をしでかすかわからない夫にクララはつきっきりで看病していたのですが、ある日往診に来た医者と診察後に話し合いをしていた隙に家を飛び出して、広く流れの急なライン川に身を投げてしまいます。44歳の時でした。

シューマンはこの行為で死ぬ事はありませんでしたが、その後2年間の最期の時までを、ボン郊外の精神病院で過ごしました。死ぬ間際まで家族に会う事もなく。

...と、ここまで書いて、結局何が言いたかったのかわからなくなってしまいましたが(笑)、そんなシューマンの作品、ドイツに行くまではそれほど好きと思えなかったのですが、なんとなく縁のある人になった気分になると、好きに思えてきたのでした。たくさんの素晴らしいシューマンの楽曲とその演奏に触れ、自分でも意欲的にシューマンの曲を演奏してきました。

今回のコンサートで取り上げるのは「アダージョとアレグロ」という、オリジナルはホルンとピアノのために書かれた曲です。デュッセルドルフに移住する直前に、シューマンは管楽器とピアノによる室内楽曲を3つ作曲しており、クラリネットのための物も「幻想小曲集」という素敵な作品を残してくれています。もうひとつのオーボエとピアノのための「3つのロマンス」も含め、すべて珠玉の名曲なのですが、今回は敢えてクラリネットの曲ではなく、アダージョとアレグロを演奏します。

実はこの曲をホルンで演奏している生演奏に触れた事がありません(笑)。そして、誰かからレッスンも受けた事がありません。敢えて言うなら、これまでに3人のピアニストとこの曲に取り組んだので、そのピアニスト達の持つシューマン感が、僕の先生と言えるかも知れません。

中島さんとは3度目のこの曲の共演になります。僕もちょうどシューマンの最期の時期に差し掛かる年齢になりました。どんなシューマンをご披露出来るのか、僕も楽しみです。


ブラームスもしっかり準備してますからね!

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